職場で週ごとに掃除当番が決まっていました。

掃除と言っても、基本的にはビル清掃で業者の方が掃除をしてくださるので、上司の机やゴミの回収など、上司の身の周り掃除だけでした。

順番に行うものの、業務が忙しかったり、イベントがあったりすると自己判断でスルーする、そんなゆるい掃除当番でした。

そもそもその程度の掃除、上司だって自分でやっていたからです。

ビル清掃が入る前からの変な慣習でした。

そんな折、同僚の一人が妊娠し、つわりがひどく勤務もままならない日が続きました。

それでも掃除当番は週替わりで彼女にもまわりました。

しかし彼女は体調がすぐれずスルーしていました。

もちろん、他の掃除当番は何も言いません。

そこへ新しい上司がやってきました。今までとは全く異なるタイプの方です。

このゆるい掃除当番制度を改革すべく、できない日は誰かに代わってもらい、上司の机が掃除されていない週を作らないように、という業務命令がなされました。

面倒だなぁという雰囲気が流れました。

そして妊娠した彼女の当番の日。その日も特に辛そうな顔色でした。

誰に代わってもらうのだろうと皆が思っていた中、彼女はその業務命令を出した上司に向かって、掃除を代わってください、と申し出ました。

なんで俺が?という表情でしたが、○○さんは月初処理、○○さんはこれから来客、○○さんは監査対応・・・と皆の予定を挙げ、「朝ヤフーニュース見ている上司しか代わってもらえる人がいません」と。

皆が心の中でよく言った!と拍手したその日以来、個人デスクはだれであれ自分で掃除するという業務命令に切り替わり、掃除当番も無くなりました。